(書評) 王様のためのホログラム デイブ・エガース著 吉田恭子訳

本書は、レリアント社に勤めるアラン・クレイが、サウジアラビアで王様に新商品をプレゼンテーションするため奮闘する物語である。


自分にあまり興味を持たない若い同僚達にやきもきしながら、様々な障害を乗り越えてプレゼンテーションの準備を進めるも、王様は予定していた時間になかなかあらわれない。


なんとかして、王様にプレゼンテーション出来るよう四苦八苦する過程で、アランは自分の人生や価値観をみつめなおす。


訳者のあとがきによると、2012年にアメリカで出版されたこの本は、同年の全米図書賞の最終候補に選ばれたそうだ。


本書がアメリカで多くの人に共感されているのかと思うと、興味深い。アランを通して、アメリカ人がアメリカ以外の国 (特に特定のある国を)どう思っているかが、よく描かれているからだ。


そしてそれは、いわゆるAmerica is No.1的な思いではなく、変化を続ける世界情勢の中でより複雑な思いだ。


 アランの価値観や思いは、なにもアメリカで過ごす人たちだけに共感を得るものではないだろう。過去の繁栄と経験し、凋落は、経験したことがある思いだろう。日本で過ごす人にも共感するところがあるように思う。